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[コメント] 獄門島(1949/日)

現存するフィルムは「総集編」。「前編」「後編」をきちんと観たらたぶんもっと面白かったんだと思います。
3WA.C

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







俳句の無い「獄門島」なんて、クリープの入らないコーヒーのよう。

超大作を半分以下にまとめた編集なので、きわめて雑。しかも後半になると駆け足になるので、背中押されて坂を駆け下りるかのような感覚で観終わる。

導入は雰囲気といい、役者の演技といい、なかなかのもの。 殺人が起き始めてからバタバタしだし、磯川警部が到着したとたんその早口とともにえらいスピードで話が展開していく。島の三人衆もいい味を出しているのに活躍しない。村長に至っては完全な置物状態だ。

しかし、昨今の2時間ドラマのような酷い出来に比べたら上出来だと思う。市川版『獄門島』の様式美とは異なった、土着性というか、当事者性というか、そんなものが感じられるし、魅力的な島のショットも多数ある。

最後の哄笑と脚本家自らが考えたトリックを「思いもよらないトリック」などと金田一に話させるという無茶苦茶加減もまたご愛嬌。千恵蔵は最後完璧に時代劇だったし(笑)

(評価:★4)

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