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[コメント] 七人の侍(1954/日)

いんやぁ、凄い映画だった。と、呟いた所で、誰にも聞こえないんだろうな・・・ 2004年3月31日ビデオ鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







最近ボケちまったか?とか思ってまして・・・。あっ、いや、変な意味じゃなくて、面白いはずの映画が面白く見れなかったり、最近やけに映画を「面白い!」と感じる事が少なくって。正直言って、この映画も、今まで★5を付けてきた映画の中では、中〜下程度。

って、言っても他の作品よりかは遥かに面白くて、3時間半があっという間だった、と言うと嘘になるけど、3時間半と言う長尺を想像していたほど感じるまでもなく、その圧倒的なまでにダイナミックだか何だかわかんねード迫力の映像にグルグルと巻き込まれて映画の世界に叩き込まれて後は薄情で自分勝手な百姓と、何の為に戦っているのか分かるような分からないような侍達にぐいぐいと引き込まれていった。

集団戦闘映画に於いて、個々の心理描写を少しずつ掘り下げていくのは当たり前だけど、この映画は凄いなぁ。そりゃ3時間半もかかるわ。そして、ソレまでの経緯がきっちり描かれている分、クライマックスの野武士との戦いの大迫力が凄い勢いで俺の眼前に迫ってくる。

こんな映画ちっぽけなテレビで見た俺がバカだった。スクリーンで見なきゃ何にもならねぇなぁ。それこそ休憩時間に急いでトイレに行く、とかそーゆーのも経験して初めて「見た」ってもんだ!んだんだ!(違

そういう訳で、多分劇場で見たら文句無しの大興奮で★5献上は間違いなしなのですが、テレビのせいで迫力不足だ・・・絶対そうだ。

皆さん仰ってますが、台詞聞き取れません。日本映画を見ていて、あんなに耳をすまして台詞を聞いたのは滅多に無いです。

俺だけかもしれないけど、俺は必死に戦う(指揮する)侍達に感情移入しまくりだった(あの「大人に成り立て」君は別だけど)。それに対して自分達の村を守る事しか考えて居ない百姓たち。

凄いね。百姓達は生きるために闘う。この侍達は別にこんな仕事しなくても飯食えるはずなのに、こんな仕事してやがる。しかも、こんな自己中心的でわがままで泣き虫で強欲で戦にも役に立ちそうも無い上に薄情な百姓の為に。そこに意味があるのかどうかは別にしても、侍側に感情移入しまくってた俺にとっちゃ、ラストで4人の墓の前で嬉しそうに田植えをしている百姓たちの姿を見ると、どーもやり切れない感じを抱いた。

本当に彼らは侍に感謝しているのか。してねーだろうね。ま、それが人間って奴なんだろうし、「生きる為に闘う百姓」「守る為に闘う侍たち」「生きる為に荒らす野武士達」みたいな人間らしい人間達が入り乱れて一つの物語が出来るから、これだけの作品が出来るんだろうね。

技術がどーのこーの、社会がどーのこーのなウンチク云々以前の問題だ。凄い。

台詞が聞き取れなくても、ひきつけるだけの魅力があるんだ。凄い映画には言葉は必要ないってんですね(←何か違う)

(評価:★5)

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