◆チソク（ジェヒ）

経歴を見た刑事には 「学もあるのに何故」 と言われていた。そして、ＢＭＷのバイクに、ゴルフの腕前。

彼は裕福で結構な家庭に生まれ育ったのではないか？と窺える。なに不自由なく、充分過ぎるほどに与えられながら。呼吸をし、生きてはいても、抜け殻のように…

親の決めたレールからかそんな生活からか、とにかく逃げてきたのだろう。

流れ者のように生き浮世離れした彼が、鑑賞後しばらくは気味悪かった。けれど、しばらく経って上記のように思い始めると、不思議と少し分かる気がする。

彼が空家に忍び込んではしていた事。

--- 料理を作り洗濯をするなど、普通の家事一般

--- 誰にも干渉されない自分の時間

--- 壊れた物は捨てずに自分の手で修理をしてみる

全て、彼が居た環境とは違ったのだろうナ。これが彼の求める”普通” で ”生活” で、生きるって事だったのだろう。

ゴルフボールが人に当たり怪我を負わせると言うしくった時、自責の念にかられたと共に、ソナが掛け替えのない存在になりつつある事や、流れ者のように日々やり過ごす事について、疑問を持ち始めたのではないかと私は思う。

ソナ（イ・スンヨン） と言う居場所を見つけた彼は、近いうちに（いや、あの日かも）彼女とあの家を出、もう空家に忍び込む日々やり過ごすと言う生活ではなく、地に足をつけ生きていくのではないかと予感した。

◆夫（クォン・ヒョゴ）

彼の存在自体が俗社会に対するメタファーな気がちょっとした。

”金が物言う世の中” みたいな。思い通りにならないと気が済まない。その為なら手段を選ばない。と。

◆ソナ（イ・スンヨン）

彼女はなぜ夫（クォン・ヒョゴ） と結婚したのかしら。

ヌードモデルの写真から、ソナはモデルのような事をしていたと思われるので、派手な生活を送っていたその過程で クォン・ヒョゴ と出会い、結婚したのだとしたら…チソク（ジェヒ） とのこれからの慎ましやかな生活に、いつまでも満足できるとは限らないと思う。

平凡でほのぼのとした生活を求める一方、華やかな生活と言うか裕福な生活を忘れられない、懐かしく思う感情が湧くのでは？と言う気がするので。

ただ、希望としては２人仲良くやっていって欲しいのだけれど…

06.03.22@恵比寿ｶﾞｰﾃﾞﾝｼﾈﾏ／06.03.25　記述