[コメント] SPL 狼よ静かに死ね(2005/香港)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ラスト近辺の「衝撃」の展開に、映画館は弛緩した笑いに包まれておりました。自分はさすがに笑いはしなかったですけれども、笑ってしまう観客を責めることは出来ないと思いました。まわるまわるよ時代はまわる、因果応報と言いたいのでしょうが、そういうのはクソ真面目に物語を一つ一つ積み上げた時に初めて成立するのであって、こうも乱暴に作られては「悲劇」ではなく「喜劇」と受け取られても仕方がないですよと。例えば強制捜査に否定的だったドニー・イェンが積極的に加担し始める件とか、どーなってんの!弾幕薄いよ!と言いたくなります。
いや確かにアクションは凄かったですよ。ドニーは従来の高速クンフーだけでなく(昨今の総合ブームの影響か)両足タックルからのパウンドや飛びつき十字なども披露してくれて。ナイフ使いのあんちゃんと路地裏で対決する場面など血沸き肉躍るたあこのことだぜえええと思いましたよ。しかしこの種の活劇の興奮はドニー、加えてサモハン師が出演している以上当たり前、あらかじめ約束されていたことで、そこに物語の興奮が加わるのを期待していたんですよボックンは。こんな不出来な話がついてくるぐらいだったら、なんのストーリーもなくノッパラでドニーとサモハン師が延々ドツきあっていた方が良かったんですよおおおお。
あとフィルターをかけて着色した画面とか、時間軸の操作とか、そういうスタイリッシュ「風味」も要らないですから。もっと捻らず素材そのままで撮って下さいよ…分かって下さいよ…二つで十分ですよ…! なんでも続編もあるらしいとのことですが、その時には大幅に改善されていることを望みます。
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