コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 七月の宴(1995/米=英)

エンベス・デイビッツは美しさという点では、美人だし演技も悪くないが、感情が激しい場面がないせいか、主役の割に印象が薄い。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画的には主人公ベラがベンの家に居候することになり、そこに住むベンの3人の兄弟がそれぞれベラに恋してしまうという点が描かれていて、脈絡のなかった序盤で展開していたベラが結婚の約束までしていた男性アーチとのエピソードが、ベラとコンとの恋愛エピソードにどう絡むのか楽しみにしていたが、後半、アーチの言葉に切れたコンがアーチを殺してしまい、ベラと逃避行をするサスペンス映画と化す。

正直、意外性に驚かされたというより、唐突な印象を受けてしまった。ベラとコンの恋愛エピソード自体は、前半でのコンの兄ジェッドに嫉妬心を抱くコンの片思いがしっかり描かれていたので、その分中盤からベラとコンが恋愛関係を増す部分でなかなかいい展開になったが、せっかくジェッドがベラに恋愛感情を抱くようなシーンを作ったのだから安易にコンを人殺しにせずに、コンとジェッドとの間でベラを取り合う三角関係みたいな恋愛劇を展開して欲しかった。

それに、コンの父親のベンもアーチの正体まで気づいていて、ベラに明かさなかったのも不自然。それと、アーチを殺す時はコンが一方的に殺しているのが、どうにも府に落ちない。ジェッドにケンカを持ちかけたときでも、殺す気でいたようだし、切れやすい性格なのかなという気がしたが。

ただそれまでの恋愛エピソードがコンの殺人という展開で一気に台無しになってしまった感もある。この映画は安易に悲恋劇にせず、コンとジェッドとの間でのベラの取り合いでの葛藤をメインにした方が絶対よくなった気がする。少なくともコン役ベン・チャップリンの心を閉ざした孤独な青年の演技がはまっていただけに勿体なかった。

役者としてはベラ役エンベス・デイビッツは美しさでは美人だし、演技も悪くないが感情が激しくなるシーンがあまりなかったせいか、主役の割には印象が弱い。

それと、この映画でのベラの描かれ方が、居候したから子供たちがバラバラになり、コンまで死刑にした疫病神みたいな描かれ方でベラが気の毒に思えてしまった。それと、ラストで死刑実行前のコンの面会にジェッドだけ訪れなかったのが気になった。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。