[コメント] クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!(2006/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
日本で最も初期に紹介された本格SFの一本に「盗まれた街」(ジャック・フィニィ)がある。この作品は既に海外でも4回も映画化されているし(『ボディ・スナッチャー 盗まれた街』、『SF/ボディ・スナッチャー』、『ボディ・スナッチャーズ』、『インベージョン』(2007))、これから派生したB級SF作品はそれこそ枚挙に暇のないほど作られてる。日本でも最初期に紹介されただけあって、数多くのSF作品に設定が流用されている。
中でも最もこの設定を好んだのは70年代のジュブナイルだろう。眉村卓や筒井康隆などの諸作品の中には本当にたくさんこの設定が使われていた。多分その理由は、子供にとって最も恐ろしい事を考えた結果だろう。子供にとって、日常生活というのは、信頼する大人によって成り立つもの。それが突然断たれてしまったら?何も子供だけでない。大人にとっても勿論それらは恐怖の対象だろう。端的に言えばリストラによる突然の解雇なんかはとても本作の設定に近いのではないか?
そう言う意味では本作は真っ正面から「盗まれた街」をアニメで作ってみた作品と言え、こどもの頃ジュブナイルを読んだお父さん連中には、懐かしく、そしてちょっと怖い作品に仕上げられてる(小ネタも結構たくさん出ていて、例えば国際調査団の名前がSRIだとか、調査官の名前がジャクリーン・フィーニーという、原作者の名前であったり、『エクソシスト』とかホラー映画からも流用があったり)。
勿論中身そのものはこどもに楽しめるように出来ているので、相変わらずのしんのすけの暴走っぷりを楽しみつつ、馬鹿な物語を笑わせようというサービス精神は感じられる。
ギャグとホラーのトータルバランスがあまり良くないのと、特に前半はオトナにしか楽しめないようにした出来には少々疑問を感じるけど、充分許容範囲。
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