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[コメント] 46億年の恋(2005/日)

抽象的な世界でも匂いたつ男の香り
地平線のドーリア

常に男くさい、人間の体臭が香る彼の映画世界は、このような抽象的なセットでも変わらなかった。むしろ、より強調されている感がする。カメラマンが異なる作品でもそうなのは、撮影手法よりも、汗や血のりなどというメイクに対するこだわりと役者にそうさせる演出力によるものだろう。特に後者などは、三池組の現場に立つだけで役者にヤル気を出させる、興奮した状態にさせる彼の人柄に負うものが大きいのだろう。それをカリスマ性といっていいのだろうか。

映画の中に、俳優が存在することとは、俳優が撮影現場に、どのように「居るか」ということなのだ。人物描写とは、映画においては俳優をどのように存在させるかといことだから、それが映画制作の肝心な所だろう。現場における監督と俳優の人間関係、それは明確に語ることのできないものだが、確かに強く作用している。それを感じさせるフィルムだった。

(評価:★4)

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