[コメント] 雨月物語(1953/日)
怪談を盛り上げるもう一つのストーリー。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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藤兵衛・阿浜夫婦のエピソードが何のために創作されているかと考えると、阿浜が主人公源十郎のネガとして存在しているのだと思い至る。対比すべきは源十郎と籐兵衛ではなく、源十郎と阿浜ではないか。妻を捨てた源十郎と夫に捨てられた阿浜、女に戯れる源十郎と男に遊ばれる阿浜、徐々に現実から離れてゆく源十郎と現実の深みに陥ちてゆく阿浜。最後に源十郎は妻の死に対峙し、一方の阿浜は(まがりなりにも)出世した夫を迎え、かつてのように夫婦で畑仕事を営むようになる。何とも意味ありげな2つの結末なのだが、怪奇物語から教訓を読み取るのはさすがに生真面目すぎると思うので、とりあえずは阿浜の現実的すぎるエピソードが源十郎の身に起こる怪談をより一層浮かび上がらせるのに一役買っているのだと書いて終わりにしておきたい。
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