コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 地下鉄〈メトロ〉に乗って(2006/日)

親は、こどもに、ただ生きていてほしいと願うもの。生きていれば、明日があるし、たとえ今日が苦しくても、罪深くても、いつか明日は幸せになれるかも知れない。本当に、明日があれば... (SF的考察の末)
Lunch

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







例えば、TVで放映していて、なにかしながら、片手間に見ていたとする。ちょこちょことトイレに行ったり、洗濯物たたんでいたりで、大雑把にしか筋をつかんでいないとして...

みちこの最後のシーンを見逃していたとしても、ほとんどなんとかなってしまう作品になっていて、怖い。この映画における彼女の存在意義があったのか...

原作は未読で、物語の本来の主題はわからないけれど、この映画の主題がどこにあるのか、わからない。親子の絆や「親の心子知らず」ならば、みちこの行動そのものがわからない。彼女を中心に添えるなら、その他のエピソードとのつながりがわからない。タイムスリップものとしても、設定をおもしろがっているとしかとらえられなかった。

このレビューを書くにあたり、あまりに?が多かったので、「岡本綾」でいろいろ検索してみた。私は実は彼女のデビューの頃のCFは大好きだったし、「オードリー」の頃も偶然だが割とみてた。調べてみると、その後、いろいろとあったようで、なんだかそれを利用しようとしたのか?それだけのために彼女を持ってきたのか? などという邪推すらしてしまった。しっかりした可能性を十分秘めた女優だった(今は引退されてるようだ。ほんとうに残念)のに、まるっきり生かされていない。

見終わった後、なんだか切ない気分にはなるが、それは音楽の力だなぁと思う。主題歌にしろ、全編に流れる楽曲にしろ、みちこのあのシーンですら、こちらの気持ち悪さ、釈然としなさを、強引にせつなさに持っていける程、すばらしい。

出ている役者は、ほんとにいいし、件の釈然としないところを除けば、全体にせつない映画としておさまる。ただし、これを「惜しい」とは言えないくらいに、ソコが台無しにしてると思う。インパクトが大きいシーンだけに罪が重い。

評価: 1。主題の部分がひっかかりまくりで、マイナス分が大きい。絵は(セットの安っぽさを除けば)とても丁寧できれい (+0.5)。教科書的なのかな?

ただ。 最後に指輪を眺めながら思い出せないシーンで、真次はみちこを忘れて(なかったことになって)しまったのが わかる。中盤にみちこは「あなたは誰からも忘れられていない」というシーンがあって、タイムパラドックスのことも併せて考えると、実はみちこは、真次よりも前からタイムスリップだかタイムトラベルをしていて、いろいろ過去を変えてしまっているのか、だから「罪と罰」なのか? 真次はループから抜け出せるが、みちこはあの後、再び彼に出会い、同じことを永遠にくりかえすのか? 考えてみれば、年齢的に20代であろう彼女の生年が1964年頃なのはおかしい。だとしたら、平成には 二十年くらいタイムスリップしてきてるのではないのか? あの地下鉄で出会う教師とともに、時間をさまよっているのではなかろうかと、SF的にも考えてしまった。としても、そんなことはどこにも画かれていないのだけど。

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。