[コメント] DOA デッド・オア・アライブ(2006/米=独=英)
映画を見終った人むけのレビューです。
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だって、プロデューサーにポール・W・S・アンダーソンが名を連ねているんですよ!? そりゃあもう、思わず「モゥ〜タル・コンバッ〜ト!」の咆哮を劇場中に響かせてやりたくなりましたよ。なっただけですけど。
映画の内容は、JunkieXLの音楽に乗って、ひたすらファイトが繰り返され、合間にドカーンと「DOA」タイトルが意味なく挿入される、というカラッポいっぱいのB級娯楽アクション。そこは、さすがコーリー・ユエン監督だけあって、イスやらはしごやら竹やら黒ブラジャーやらの小道具が小気味良く活躍するアクションで、なかなか愉しませます。娘の部屋にドアを蹴破って登場する親父さんや、お役目ご苦労な海賊さん、微妙にやっちゃった感漂うビーチバレーなどなど、ポップコーン的小ネタも豊富。無駄だけによって構成されたあっという間の90分、嫌いになれません。
とは言え、娯楽だけに余計気になるところも。というのは、キャラクターにクセが足りないということ。結局、掟だの友情だの愛だの親の仇だの全然生きて来ないわけで、90分クセ一本で押し切るくらいの潔さがあって欲しかったと思います。あるいは、親父さんにしてもそうですが、敗退したキャラクターがその後全く絡んで来ないのというのも実にもったいない印象。その辺りは、むしろ『ストリートファイター』という偉大な先例を(ほんのちょっとだけ)学んでも良かったのではないかと。それに、いくら私がB級サイバーパンク好きでも、サングラスかけた中華服のオッサンがラスボスという展開には萎えました。そのトドメの刺し方が某『キス・オブ・ザ・ドラゴン』というのもどうも盛り上がらず。
まぁ、何はともあれ、今回の収穫はアンダーソン君です。この大っきいお友達には、これからもゲームばっかりやってもらって、馬鹿な映画作りに魂と金とを無駄遣いして頂きたいと思います。感謝と尊敬をこめて(映画のコメントじゃないです、すみません)。
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