[コメント] ルナシー(2005/チェコ)
時々挿入される肉のシーン。乾いた音とグロい質感と、愛くるしい動き。そのシーンだけで全てを表現してしまう力技はさすが。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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『肉片の恋』完全版といった趣の、肉のシーン。随所に挿入されるこのシーンが非常に良かったです。それによって緩急のある展開になり、結果、120分余りという尺の長さも全く気になりませんでした。恐らく実写の方のみの展開だったとしたら間延びしていたと思うし、若干押し付けがましさも感じたと思うので、あの肉はとても有効だと思いました。
全体を通して見ると、アート的な面でも他作品に比べて遜色はないんだけど、エンタテイメントとして見ても普通に面白い。『アリス』が思った程面白くなくて、それ以来彼の長編には少し抵抗があった為、シュヴァンクマイエルは短編の方が断然面白い!と勝手に思っていたけど、長編でもいけるじゃん!と思いました。超上から目線になっちゃいますが、巧くなったなーと。それともようやく私の感性が彼に追いついたダケなんでしょうか。とにかく今作は面白い。2時間充分楽しめました。恐らく内容というか中身がしっかりしてたからなんだと思いますけど。だからその異質な世界に最初は戸惑いつつも、見終わる頃にはすっかり日常世界ように感じてしまうというね。凄い。ただシュヴァンクマイエル初心者に勧めるには多少抵抗アリかもです。
てか、あの肉を可愛いと思える時点で人と感性が違うと理解しておいた方がいいかも。私は気軽に「この肉超可愛いヨネ!」とかなかなか他人には言えないー。
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08.02.28 記
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