[コメント] ソウ4 SAW4(2007/米)
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『ソウ3』で完全に死んでしまったジグソウのゲームは、未だ継続中だ。というコンセプトの元で作られたシリーズ第4作。今回に関しては『ソウ』の生みの親ジェームズ・ワンとリー・ワネルの二人は関与せず、全く新しい作品として作られているのが特徴と言えるか。
『ソウ』で映画界に衝撃を与え、以降も質の高いサスペンス作品として展開していった本シリーズだが、続けて観ていくと、やっぱり着実に少しずつ質は落ちていってる。特に本作はその下降具合が激しく、一作目のぬる〜い焼き直しに、ゴア映像をかぶせただけの作品になってしまった感じ。物語の時間軸をずらしたり制限時間を設けるという新要素も入ってはいるものの、『羊たちの沈黙』や『エイリアン』(1979)という傑作が既にあるものを使ってもオリジナリティは感じられず。ラストの意外さについては悪くないんだけど、それ以前のグロさに負け、ラストシーンなんか「どうでもいいや」って気分にさせられてしまう。とりあえず『ソウ3』の直接の続編だから、そちらを観てないと黒幕の意外性が無くなるのだが、そんなこともどうでも良くなってしまう。俳優も知らない人ばっかりになってしまい、結構安普請さを思わせるし…とは言っても決して嫌いというのではないんだけどね。
なんだかんだ言っても、ワネルの脚本あってこそのシリーズだったことは確かだな。意外性のあるラストを上手くリードしていき、「おお!そうだったのか!」と思わせるだけの脚本はなかなか作れない。特にあれだけのグロシーン連発しておいて、それでもちゃんと最後に驚かせる技術に至っては。
しかし、改めて考えてみると、1作目から4作である本作まで、グロテスクシーンというのも少しずつ変わってるように思える。1作目は意外性のある痛さであり(直接的なシーンはかなり少ない)、2作目はモロ“痛い”と思わせる描写。3作目は悪趣味なほどのグロテスク描写。そして4作目である本作はグロというよりはゴアと言うべき。死体いじってるシーンを延々映し出すオープニングシーンは流石に気持ち悪くなった。
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