[コメント] キー・ラーゴ(1948/米)
キャラの配し方は一種の名人芸ですね。ほとんどそれだけで保ったような作品でした。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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メロドラマ風のフィルム・ノワールというか、フィルム・ノワール風のメロドラマというか、普通合わないその二つを上手く合体させた作品で、しっかりアクションも入れてメリハリを出している。流石にアクション部分は今から観ると多少見劣りはするものの、その分緊張感の演出は素晴らしい。
フィルム・ノワールとメロドラマの両立というのは、悪女部分をトレヴァーに、聖女部分をバコールに上手く振り分け、この二人の女性に挟まれる格好でボギーを配しているのが成功の要因だと思われる。勿論これは美女二人に見劣りしない魅力を見せるボギーの存在感あってのこと。やっぱりボギーは女性を美しく見せる名手だ。
それと悪役のロビンソンの存在感も大きい。悪役がよく似合う強面だが、粗野な中にしっかり繊細な演技を見せてくれてもいる(ロビンソンははリベラル思想の持ち主のため、赤狩りに入りつつあるハリウッドではあまり良い目で見られなかったらしい)。 ストーリーや演出云々よりも、キャラクタの魅力を最大限出す事が出来たのが本作の最高の強味と言えるだろう。ボギーファンとしては嬉しい作品である。
尚、最後の船上での撃ち合いは、そもそもボガート&バコールの『脱出』で使われる予定だったそうだが、そちらで未使用のためにこちらで使うことが出来た。
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