コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 小さな恋のステップ(2004/韓国)

映画だからできる表現でいかに人を楽しませるかについて、日々思いついて仕方がない監督なんだろうな。外し方にやりすぎ感もあるけれど、ほどほどに変化球で、なぜか等身大のメルヘン。作品ごとに表情を増やしていくイ・ナヨンも高ポイント。
SUM

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原題は「知り合いの女」。元カノにチョン・ジェヨンイ・ナヨンを紹介するところで台詞とタイトルがつながる。この微妙な関係とそしてそう表現されてしまったイ・ナヨンの微妙な女心につながっていく。もちろん、そもそもバーの店員として「知り合いの女」であるし、元々ご近所の二人であったという「知り合い」であることも示しているし、警官の一人も「知り合い」(?)だったりして、いろんな知り合い関係がある映画である。といってもまぁ、そこまで「知り合い」が物語のキーとして巧妙に張り巡らされているというわけではなくって、主演の二人の間のそれを除けば「スパイス」的なもの。直訳をタイトルにしなかったのは正解だろう。「ステップ」は直接にはご近所の39歩なのだろうから、さほどのこのステップ自体は映画の中心でなく、それ以外のステップは「小さなステップ」の積み重ねというイメージと合わない部分もあるような気もするけれど、まぁ、悪くない邦題ではないかと。

さて、劇中で鑑賞したことになっている「映画」。この映画について劇中で語るチョン・ジェヨンの解説で、その設定について「映画だからあり得る」(字幕では必ずしもそうは受け取れない訳になっていたが、そう言っていたはず)。このぶっとんだ劇中映画のストーリー、5分で語れば「なんだそりゃ」なわけだけれども、ぶっとんだものを90分なり120分なりかけて見せるのがチャン・ジンにおける長編映画なのだろう(チャン・ジン自体は短編も珍しくなく、短編なら短編なりにそう見せようとするのだけれども)。こいういうぶっ飛んだアイディアや、シークエンスのギャグなどは、日常思いついてしょうがない人なんじゃないかと思ってしまう。まぁ外してるギャグも多くって、外し具合が心地よいくらいの微妙なギャグで、本作の日本でのチャン・ジンへの宣伝文句「韓国のクドカン」というのはどう受け取ってよいのか微妙なのだけれども。

さて、話を戻して、チャン・ジンは、ぶっ飛んだ物語を説得するために、本作をどうするのか。前半は、コミカルな味付けこそチャン・ジン流だが、設定とストーリーは、韓国のラブメロにありがちなそれである。見せ方の自然さには好感が持てるが、ありがちなものを手堅く小さくまとめるのではと期待させる。が結局後半は、壊れる。死ぬのは自分じゃなかった。両親の死のくだり。自殺女。こんな描写、単体だったら5点満点で1点つけかねない唖然とさせる描写を使って、「死」と「生」の関係を描いてみせる。いや、描いてみせるというのは言い過ぎか、しかし、「死」を笑い飛ばして、電柱まで絡めて、小さな生と愛の賛歌にしてしまった。まったくこいつはどうかしている。

イ・ナヨン、あんなのが近くにいて気づかない チョン・ジェヨン は馬鹿と言いたくなる魅力。

以下余談。 二時間も警察署の執務室で立ってTV見続けていたのかイ・ナヨン、おいこら。 いきなり投手で完封できるレベルだったんですか韓国プロ野球。 泥棒の捜査で家主がプロ野球選手だって気づいてないんですかそうですか。 韓国のラジオは5局で続けて聞けるほど近い時間に投稿の放送があるんですね。ちうか、裏番組のチェックとかどうなってんだかいやはや。 大事故で近所に関係者がいたら普通・・・。 まぁ、医者に死ぬと勘違いさせられてたのが原因だと分かればマスコミも話題にしてくれて、職場復帰できるんじゃないんですか?

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。