[コメント] クローバーフィールド HAKAISHA(2008/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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カメラを回し続けることに対する説明臭さもその一因だし、そもそも「撮影者」がフレーム内に映し出された時点で、その臨場感には「擬似」という言葉がイヤでもチラつく。自分ではなく、あえて「他者の視線になり代わって」ということを明確にした上での臨場感をそのまま鵜呑みにして良いのだろうか、みたいな。目下のトコロ、この手法に対するある程度明確な答えは、未だ出ていないように思える(というか、この手法に拘泥し過ぎると、よりこの手法の限界も強調されてしまう気が)。
確かに頭を空っぽにしてみれば、それはそれで、それなりには面白いと思う。しかし自分には、「あたかもその場に居合わせているかのような・・・」的な売り文句は、ドルビーなんたらシステムとかとあまり違いがないもののような感じがしてしまう。個人的には、追体験自体にはあまり興味はなくて、むしろ追体験させられる「モノ」自体に興味があるので。おそらくそこに評価の分かれ目があるのかもしれない。自分は何とも言えないけど、ただ、一つの可能性として頭から否定はしたくない、とは思う。
ともあれ、撮影自体は見所も多く、実際とてもシロウトが撮った画とは思えないけど、ヘンにキメ過ぎることもなく、その瀬戸際で巧いバランスを保っていたと思う。ただ、視線は固定させられているとはいえ、最後の最後まで映画の中に入りきれなかった自分としては、本来のシナリオはこんなところとは殆ど関係ないトコロで展開しているんだろうなぁ、ということを妄想できることが何より面白かった。
(2008.12.4)
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