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[コメント] 幻影師アイゼンハイム(2006/米=チェコ)

かっこよさげな大義名分を振りかざす必要は全くなく、単なる色恋沙汰として描いた方がむしろスマートだったんじゃないでしょうか。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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画面の発色に品があり、衣装も私的に好みで、キャストやストーリーも控えめながら程よく主張が効いていて、小品としてまずまず面白かったです。ラストのどんでん返しもうっすら読めてしまうものだったけど破綻もしておらず、素直に楽しめました。また警部が、単なる使い古しの悪党キャラでなかったのも作品の魅力に繋がっていたと思います。

ただ皇太子の陰謀がどのようなものだったのか明確でなく、王位についていた父親がどのような人物だったのかも分からず、皇太子が目論んでいた何かはそもそも陰謀かどうかすら分からない。皇太子の一面だけを描いて、彼を悪者に仕立て上げるのは少しどうかと思いました。ソフィもその陰謀を手伝いたくないと言って彼の元を去りましたが、はっきりアイゼンハイムが好きだと言って去った方が良かったんじゃないかな。結局逃げたのはアイゼンハイムと一緒になりたかったというのが一番の理由なんだから。それを皇太子の陰謀がとかかっこよさげな大義名分を振りかざす必要は全くないと思います。単なる色恋沙汰として扱った方がむしろスマートだったんじゃないでしょうか。

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08.11.27 記

(評価:★3)

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