コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ブーリン家の姉妹(2008/英=米)

男がゲスなら、女はそれ以上のゲスを演じて支配しにかかる。人類は順調に繁殖するが、この調子なので肝心の平和は未だにやって来ない。
Ryu-Zen

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







未熟で脆弱な心の男が権力を手にすると、国は傾き人が死ぬ。

(自慢は性欲だけの王、一人じゃ何もできないダメ親父の見本のような父親、出世欲にとり付かれた哀れな中年の叔父)

女が男のコントロールを間違っても、やはり国が傾き人が死ぬ。

(頭では真理を理解していたが自らの感情に敗北した母親、慈しみより虚栄心を選んだ姉)

このような弱い人々に振り回された犠牲者のことを考えると暗い気分になります(弟のような善人が、こういう時によく生贄にされるのです)。新しい生命を育むことに御熱心だが、逆に人を殺すことにも御熱心なのだから...。命が尊いなどと、誰も本気で思っていない証拠。男と女が心を律する事無く本能に従って繁殖と殺戮を繰り返してるだけです。妹が負のスパイラルから辛うじて脱出できたのは、彼女だけが慈愛の精神を忘れなかったからでしょう(なにかに頼らず自分一人で考えて決断していった、と言うのも大きい)。ここだけが救いであり、そして幸福へのヒントだと思います。

こういう時代だったからこそ、人間の汚れた本質がよく見えます。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)Orpheus

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。