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[コメント] サーカスの世界(1964/米)

三者三様のぴったり合った演技。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 そしてサーカス映画は大きな強みもある。一方で表舞台に立つ花形の生の演技をエンターテインメントとして演出しつつ、裏方での実生活の辛さを描くバックステージものとして、そして苦楽を共にすることによる巨大な家族ものとして。それこそ本当に命がけの芸を出すことも出来る。アメリカ映画が好む要素をなにもかも放り込めるという強みがある。

 その強味をちゃんと理解した上で作られたのが本作と言える。経営手腕に豪椀を振るいつつ、女性には弱い主人公。サーカスの芸人としては一流だが、恋多きことに悩む妻、母なしで育てられ、芸に打ち込む娘。それを取り巻く巨大な家族集団。これらの特殊事情をしっかり取り込みつつ、きちんとしたドラマに仕上げてくれている。、本作の最大の売りはやっぱり適材適所のキャスティングと言えるかもしれないな。まさしく“粗野なアメリカ人”ウェイン、“ファム・ファタル”ヘイワース、“元気印”カルディナーレ。この三人の貫禄の演技を観るだけでも本作を観る意味はある。

 あんまり本編とは関係ないのだが、船が転覆するシーンはまさしくスペクタクル。後で知ったが、あれって本当に船を沈没させたのだとか。凄い事やったもんだ。

(評価:★3)

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