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[コメント] ヘルレイザー ワールド・オブ・ペイン(2005/米=ルーマニア)

雰囲気を重視した作品で見所はそこそこ。その分物語が変になってるけど。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 シリーズの特徴として究極の快楽を得られるというパズルボックスと、それに伴う苦痛の融合というものがあるが、本作もそれに沿って作られている。元々本作は苦痛の描写をねちっこく描くところに特徴があったのだが、前述のように『ソウ』や『ホステル』と言った、情け容赦のない痛み描写を特徴とする作品が出てきた事もあって、そちらの方に本作の方が引きずられてしまった感じがある。

 物語も悪夢を彷徨う描写はなかなか優れているものの、悪夢性を強めたお陰で話に脈絡が無くなってしまい、主人公が訳も分からずに彷徨っている内にあれよあれよと物語が展開していくという、なし崩し的な描写が多く、これを単に悪趣味作品と観てしまってもあながち間違いではない。ビデオ作品だから、好きな人が観ればいい。という割り切った考えなんだろう。雰囲気さえつかめて、「やっぱりヘルレイザーだ」と思っていただければそれで充分。悪夢映画好きとしては、雰囲気にははまれた。

 雰囲気重視のため話もよく分からないのだが、ラスト部分で一応説明は入れられ、セノバイト達と、パズルボックスを作ったメルシャンの子孫達の戦いが今も続けられていて、メルシャン側が魔界に通じる扉を開けるため、生け贄のような意味でエイミーを使ったという事が分かったが、いかんせん説明不足が過ぎ、泥縄な印象をどうしても受けてしまう。

 雰囲気を味わいたいという人、あるいは惰性で観ている人にはそこそこお勧めできる作品ではあり。

(評価:★3)

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