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[コメント] X-ファイル:真実を求めて(2008/米=カナダ)

あのモルダーとスカリーが単なるオジサンとオバサンになってしまった。それが一番悲しい。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 TVシリーズのラストシーンはかなり意味深なメッセージとなっており、以降の地球そのものに対する脅威を暗示させられるものとなっていた。それでその続編と言うことで、その解答が与えられるかもしれない。と言うのが当初の期待だったが、その期待は大きく裏切られることになった。しかも悪い意味で。

 本作は時間軸こそTVシリーズの未来の話になっているものの、実質的には原点回帰を図った作品なのだろう。超常現象と言っても、科学的な研究が主で、科学の行き着いたところに、信じることの大切さを語ろう。という姿勢に貫かれた作品になっている。  その姿勢は分からないでもない。それでそれが良かったか?というと全く駄目。仮にこれが人気絶頂時のTVシリーズの一話であればまだ問題なかったが、これに金を払ったかと思うと悲しくなるような出来になってしまった。なまじ期待が高かったのも悪かった。物語そのものがグダグダで、間も悪い。80年代の初頭に作られたB級SF作品レベルの物語を今頃やられても、こちらとしては戸惑う以外に何も出来ない。しかも凄く退屈。強いて言えば、TVシリーズ本編を観てないと分からない小ネタが台詞の端々に出てくるのを楽しむ以外に魅力が無い。そもそもがTV版のあのラストとのつながりが全く無し。

 それに根本的な問題としてキャラが悪い。ドゥカヴニーもアンダーソンも、これじゃただ歳を食っただけという印象しか無し。もっと装う気持ちとか、気合いとか無かったのかな?二人とも登場からラストまで疲れをにじませていた感じで、痛々しさしか感じられなかった。折角の現場復帰なのだから、歳を食っても颯爽とした二人を観たかったな。結局役者として見るべきはスキナー役のピレッジくらい。この人は本物の役者だな。

 思い入れのある人は裏切られ、思い入れがない人には単に単調でしかない作品なので、劇場で観る価値はほぼなし。テレビ放映されたときにでも観れば充分。

(評価:★1)

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