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[コメント] D-WARS ディー・ウォーズ(2007/韓国)

どうせ見るなら劇場で見たいタイプの映画、というのが最大の褒めことば。脚本は糞。
SUM

1999年の『ヤンガリー』を見た時には、もうこの路線でこの監督が成功することなどないだろうと確信を持った。そして10年近い月日を経て、見事に裏切られた。

・・・全米でも割と大きめの公開。ヒットとは言えないが韓国語台詞がこれだけある映画としては最大のヒット作だろう。韓国人が好きなのは分からなくもない。日本では・・・。

元々コメディアンのシム・ヒョンネ。私は幸か不幸かヤンガリー以前の彼の作品、ウレメを先に見ている(http://blog.livedoor.jp/badzilla/archives/51130443.html)。まさにこれは日本の特撮とアニメが韓国にてビビンバにされたものをやや上から目線でB級に味わうというそういう楽しみ方をするような代物である。

そのシム・ヒョンネは進化した。ハリウッドに行ってここまでやった。日本人監督もハリウッドでメガホンを取る時代ではあるが、こういう路線をやりつくすというのは一部の日本のマニアにとっては夢なんじゃなかろうか。それを韓国人に先を越されたというのは悔しいと言うほかない。

イムギは普通に韓国人なら知っている伝説の生き物だし、エンディングテーマには、なんとアリランのメロディを混ぜるなど、韓国人を意識したサービスもあるにはあるが、はてさて。

何故、500年前の朝鮮半島の生まれ変わりがアメリカの狭い範囲で3人揃うのか。

勝っても負けても500年おきに災害が起こるなら正しい蛇が竜になるのを助ける必然性もない。

アメリカの新聞社になんであんなに膨大な個人情報データベースがあるんだい。

パンフでも突っ込まれているが、悪には手先が山のようにいて、正義にはほとんどいない不思議。

薬を取りに行ったにしてはえらく帰ってくるのが遅い父親何をしていたのか。

伝説の洞窟に自力で到達することは可能だったのだろうか?

ご都合主義の脚本もさえまくって突っ込むところが止まらない。

それでも尚、この映画には価値がある。万人には勧められないが、価値がある。韓国風味とファンタジー風味と現代の軍事と現代の都会をごった煮でこれだけ映像で見せるというのはそれなりに出来てしまっている。

特撮アクションの技術や発想という面においてはこの数年のハリウッド超大作はすごいもので、それらと比べてしまえば特に際だったものがあるわけではないが、この路線を突き詰めてこれを作ったということは、いや、二番煎じは可能かもしれないが、この路線においてこういう個性をもった作品を作ったということは、B級特撮映画の歴史に間違いなく名を残したと言える。

(評価:★3)

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