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[コメント] エレファントマン(1980/英=米)

デヴィッド・リンチの「カルト万人化」への挑戦。醜い外見と芸術を解する美しい心の対比を持って、「美とは?、醜悪さとは?」を問い詰める。そもそもそれは、後天的に学習したことで認識してるだけなんだけど、その事を1980年に映画にしてるリンチは、構造主義の申し子だと思うわ。
ヒエロ

醜悪さの定義なんて後天的に学習認識したものであって、そこから自由になれということ。それが淡々と描かれている。知性が低いって事は不自由な者って事で、不自由な者=差別者は、実は、いつでも被差別者に成りうるって事よ。

そんな構造主義を地でいくような映画だが、21世紀になった現在ならともかく、それを1980年に映画化したデヴィッド・リンチは、単なるゲテモノ見せたがりとは、明確に一線を画す。先進的で真に知性的だって事さ。

実在のジョゼフ・メリックは、異様な風貌から自ら見せ物小屋に職を求めたらしく、自分の相対価値をよく分かっていたわけで知性は高い。

(評価:★4)

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