[コメント] バビロン A.D.(2008/米)
監督ではなく、これは制作者側の勝利。こんな映画、あるようでなかったと思うんだが!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
うーん、非の付けどころがないように思えますよ。自分には。監督は自分で失敗作と称しているらしいんですが、だとすれば、制作者側の勝利でしょう。ちょっとあり得ないくらいにオシャレだと思うし、楽しめました。未曾有の出来、最高のSFです。
ストーリーは、シュールです。要するに全部は無駄だったわけです。最初からオーロラを父親側に渡していればそれで終わっていたんですが、疑り深いもんだから、もう大変。死線をくぐりにくぐって、ついには、一回死んじゃうことに(笑)。
オーロラさんは基本的に無敵なので、だれも守る必要はありませんでした。行きたいほうにいけましたし、子供が産めればよいのでどちら側でもかまいませんでした(結果的に死者が少なくなりそうなほうを選んだのでしょう)。ディーゼルさん演じる主人公はおろか、周りでごちゃごちゃと頑張っている人間たちの存在ものものが今後の展開には全く関わりがない。いわば虚無だったのです。
ラストシーンで、ディーゼルさんがカメラアングルで苦笑い。徒労感を満面にうかべる。ここには次世代の子孫繁栄のために懸命にもがき苦しむ、現世に生きる人間たちの無念が現われています。
一方で、いい女と旅ができたし、まぁいいか、そんな思いも感じさせてくれる、この上なく爽やかで、かつ、この世界の重み(軽さ)が表象された完璧なラストシーンでした。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。