[コメント] ディア・ドクター(2009/日)
一見退屈な作品に見えるが、監督を信じて行間を読む努力をすれば深みにズルズルと引き込まれてしまう。観客に媚びずに感じ考えることを要求する、今の日本映画には珍しいタイプの作品ではないでしょうか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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嘘をつく人、嘘をつかれる人、嘘に気付きつつ従う人、嘘に気付かない人、嘘を利用する人…一つの嘘を巡って立体的に構成される人間関係と、その嘘が暴かれ、人間関係が崩壊する様が2時間過不足なく描かれていて、観賞後に重い疲労感を感じると共に大満足。脚本で語り過ぎるのではなく観客に多くのものを求める西川監督の姿勢は、興業の面では損しているようにも思えるが、私は圧倒的に支持する。
ただ、ラストシーンについては必要なかったように感じる。鶴瓶が煙草を吸うシーンで止めておいてほしかった。鶴瓶は警察に逮捕されるのか、別の村で改めて嘘の生活を始めるのか、あるいはそのまま電車に飛び込んでしまうのか。どうせならそこまで観客の想像に委ねても良かったのではないかと思う。
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