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[コメント] ばかもの(2010/日)

いろんなものが「むきだし」の状態で描かれる映画。男女の性欲しかり、親子間の軋轢しかり…。それを語る台詞の率直さにギョギョとするし、下手なホラー映画よりも余程ゲゲゲと恐怖を感じる演出多数!実に「変な」映画である。
田邉 晴彦

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭から20分くらい、ずっと内田さんと成宮くんのセックスシーンが続くんだ。ロマンチックな恋愛映画かと思って付き合いたてのカップルなんかで行こうもんなら、その後の展開含めかなり気まずい劇場体験ですな。

で、捨てられた後の成宮くんによるアル中描写がその後100分くらい続く(笑)きついんだ、これが。ある意味、ここまで執拗にアル中を描いた作品て、画期的というか、偏執的というか…

最後まで周囲の人間を全部不幸にしてまでも二人の世界に没入してくカップル。最早、声のかけようもなく、「うん、まあ、達者でな。不幸になっても決して他人さまのせいにするんじゃあないよ」と浅香光代みたいな変なテンションで忠告のひとつもしてやりたいムードであるが、本人たちは柔い光の中で実に幸せそうなのでもう何も言う気が起きない。

愛欲に溺れた男女なんて、まあ極めてみんな「ばかもの」なわけで、タイトルがテーマと作風のすべてを言い表しているとも言える。決して離れない男女の10年記というとマイベストムービーの『ぐるりのこと。』を想起させるが、テイストもベクトルもまったくの別物だった。ただ、別の意味で真に迫った作品であることは間違いない。

決して、嫌いじゃないタイプの映画。

(評価:★4)

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