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[コメント] 劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜(2011/日)

テレビ版の不満点を最大限解消させるために作られたもの。故にテレビ版に不満を持たないなら、余計な物語。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 『マクロスF〜イツワリノウタヒメ〜』はかなりヒットしていたかと思っていたのだが、その後しばらく音沙汰無し。一体どうなってるの?と思ってた辺りでようやく公開となった後編(とは言え、私自身は両方一緒にテレビ放映版で観たので、それを言う資格はないのだが)。

 でも確かにこれを観たら、公開まで時間かかった理由はよく分かった。

 前編はまだテレビ版のストーリーに沿っていたため、バンクが多少使えたが、後編の本作は、ほぼ完全に新作。アクションシーンの演出もとんでもなく力入ってる。なるほどこれだけこだわって作ってからなのね。

 物語はどうか?と思ったら、意外にこれも悪くない。そもそもテレビ版のストーリーが中途半端すぎたのが問題だった。『イツワリノウタヒメ〜』の方でもちょっと書いたけど、一応主人公であるはずのアルトが二人のヒロインを挟んで、その場その場を取り繕うことしかしてないため、場面場面で性格がコロコロ変わって見え、しかも煮え切らないまま物語が終わってしまったため、観てる側として、とてもフラストレーションが溜まってしまった。更に二人のヒロインが、自分の立場を全く理解してないようで、単なるアイドルであることと、船団を救う歌姫、ヴァジュラと人類を結びつけるキーパーソンであるという自覚が薄く、何をやってるのか?ということで、やっぱりフラストレーション溜まる。

 それに対し、本作でも確かに二人のヒロインに振り回される構図は同じでも、ヒロイン二人がメインの物語に深く関わっていて、それを自覚している分、切実度が上がってるし、その二人の思いをしっかり受け止める主人公の覚悟がきちんと出ているのが良い。テレビ版では単に叫んでる以外やってないラストバトルもちゃんと意味を持たせてくれた。

 そんな事で、テレビ版での不満点をきちんと受け止めた本作は完成度がかなり高い。

 …高いのだが、それも全てテレビ版の不満あったからこそと言うのが、本作単体としての評価を落としてしまうのも事実。

(評価:★3)

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