[コメント] シリアスマン(2009/米)
この“すんどめ”映画!ドS監督!ちゃんとイカせてくれ!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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と観賞後身をよじらせて悶えるくらい、ためてためてためて〜…結局射精させてくれない、アンチカタルシスでドSな“すんどめ”映画。
射精とはつまり感情の発露であり、映画的なコーフンそのものである。ほどほどの不幸(更年期をむかえて尚男狂いした妻に離婚を求められる)(大きな怪我のない交通事故)(言うことは聞かないがぐれてはいない子供たち)とわずかばかりの幸運(豊満なボディを持て余した隣の奥さんの日光浴ヌード)によって人生を右往左往するユダヤ人の大学教授が主人公の作品に、ハリウッド的なハイライトシーンを期待してももちろん無駄なわけで。
冒頭のポーランドを舞台にした寓話(コーエン兄弟による創作で、その後の本編と何の関係もない)から、ラストのディザスター映画をにおわせる竜巻の描写まで、一貫して、「お!ここから何か面白いことが??」とひっぱり続けられた挙句、唐突に「はいおしまい」と幕をひかれてしまう。
でも、何故かこれが面白い。周りで観ていた観客からのブーイングもなく、割とみんな満足した表情で劇場をあとにするのだ。
やっぱり、作品を構成する要素(役者、演出、映像、音楽、編集、テンポ、ユーモアなどなど)のひとつひとつのクオリティが高ければ、たとえ確信犯的にカタルシスを与えない作品だとしても、最終的な満足感を観客に与えることは可能なのだ。
質の悪いソープよりも、一流のオッパブの方が満足度は抜群なのである。
以上。佳作でした。
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