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[コメント] コクリコ坂から(2011/日)

どうも私には脚本家丹羽圭子に才能があるのかないのか、未だによくわからない。セリフも物語のまわり方も紋切りくさくてちょっと話に乗れない所はあるけど、まぁ、泣けないことはない、ぐらいか。
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**ネタバレ注意**
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丹羽圭子脚本作品は全部見てると思うのだけれども、彼女の才能というのは未だに自分にはよくわからない…。本作品の解説によれば、宮崎駿のアイディアを受け止めて脚本の形にできるだけでたいしたものだそうだから、それは才能なのかも知らんけれど、それがこの脚本家の最大の才能だったとしたらと考えると、まぁそれが才能の脚本家もいるよねとは思うけれど、うーん。「何が何だかよく分からないけどなんか青春のラブストーリーらしい」ものを書くのが得意(?)なんだろうか。 吾朗さんも才能あるんだかないんだかよくわかんないけどね…。ジブリ組という、たぶん特異な作家がいることで存在できてる組織で、そのメンバーを率いてプログラムピクチャー的に定期的にものを作るのを指揮する人としては一定水準なのかもしれないけれど。 セリフも物語のまわり方も紋切りくさくてちょっと話に乗れない所はある割に、音楽は、日本映画の大作の割にはうざくなく、静かなのがよかった。 『二の国』でジブリスタッフがレベルファイブが作ってきたCG見て「台所が綺麗すぎる雑然とした部分の書き込みが足りない」的に突っ込んでいた印象とかからすると、主人公宅がやけに綺麗すぎるのが気にはなったのだが、カルチェラタンとの対比で、まぁ綺麗に整えられてる家ってことなんだろうってことで、まぁ実際に町の看板とか丁寧に書かれてるし。

「出生の秘密」に、311後のジブリの電力施策への言及との関連を感じてしまうのだが、あの設定が311の前からあったのか、後では何かいじってないのかなどよくわからないので気にはなっている。二次大戦と朝鮮戦争、学生運動を絡めてきて、一定の説得力はあるから、中盤までのオーバーな紋切り型くさいラブストーリーの収拾を付けるのにはほどほどに成功しててまぁ泣けなくはない、が、説教くさいっていうか、でもまぁ、なんかアナクロ感あるよね。 しかし、まぁ、原作の「制服反対運動」が立て替え反対運動へと入れ替わっているあたりに、「そもそも原作のそれはやはり学生運動時代の影があるのであって、そもそも1980年代に制服反対運動が時代に合わなかった」って解説されると、まぁ商業的に売れ筋ではなかったかもしらんけど、その時代に学校に抵抗してた子供にしてみりゃそれなりのリアリティあったと思うけどねぇ…(この辺は地域差−都道府県の教育委員会の差を含む−あると思うけれど)。

壊れた手すりどうやって直したんだいとか、まぁ老朽化した建物の解体を防いだとしてパトロンもなしにどうやって維持するんかしらんとかそういうことは言わない約束にしておくけれど(言ってるけど)、まぁでもあれだ、実のきょうだいでないと判明したとして、戸籍がそれだったら結婚できねーじゃん、とかなんとか。

(評価:★4)

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