[コメント] 神様のカルテ(2011/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
はっきり言っておくが、まず何より本作を私は大変気に入ってはいる。特に職業倫理について語る辺りは自分自身の仕事にも通じるものがあって、この部分については色々考えさせられた。
ただ、この部分はあくまで原作の出来なので、映画本体よりも原作を読んでみたい。と思わせてくれたことだけ。
原作は未見とは言え、本作を観て分かるのは、これは原作を忠実に映画にしたものだろうと言うこと。つまり映画への翻訳が実は巧くいってない。
映画というのは1時間半〜2時間程度の時間で起承転結あるいは序破急を入れる必要がある。そのため、メインの話に挿入されるミニストーリーは伏線として機能させるべきなのだが、それが全く上手くいってない。
小説であれば何ら問題無く機能する余韻やミニストーリーも、映画に変換すると余計なものになってしまうのだが、本作はその悪い部分がとても目立つ。特に妻や同居人達との交流部分は伏線としてほとんど機能しておらず、ただ配置してみました。と言った感じで終わってる。映画の場合、こういったミニストーリーは伏線を匂わせるなどさせて変換が必要になるのだが、それを一切やってないので、余計なだけ。
結果的に無駄な物語をやたら詰め込んでみただけになってしまった感じ。映画としては消化不良。
キャラに関しては文句言う筋合いなし。元々この作品はキャラを目立たせるために作られたようなものなのだから、櫻井翔がちゃんと個性見せてるだけで充分だろう。ちょっと割食った感じの宮崎あおいは、ちゃんとミニストーリーで出してるし…あ、そうなると、あのミニストーリーは映画的にも“余計な”部分じゃなかったのかな?
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