自殺した双子の姉の死の真相を探る妹のサスペンス映画｡

作りそのものはダリオ・アルジェント監督作品に見られるようなジャーロ映画っぽい感じで､演出も展開もかなり意識している印象が伺える｡

姉の死の真相を探りながらも､自らも姉と同じ失明の恐れのある先天性の病気を抱え､徐々に失明していってしまうという設定は面白いのだが､いまひとつ徐々に失明してしまうことへの緊迫感が感じられなかったのは残念｡

また､終盤で手術後のフリアの描写でフリアがはっきり見ていない人物の顔を一切出さないまま進行し､最後に犯人の正体を明かすまでの展開の演出は良かったのだが､犯人が判ってからの､二転三転する展開は､ほとんどフリア自身にはあまり関係ない話なのに無駄に長く引っ張っていたのは残念｡

それと､最後にフリアと夫のイサクの関係で感動的な展開を作っているのなら､もっとイサクとフリアの絡みを描いて欲しかった｡

正直､犯人が判ってからはもっと簡潔にまとめてもよかったと思う｡

ただ､意図的なのだろうが､登場する主要な女性人物が皆､どこか不幸な結末を迎えているところは印象的だった｡