[コメント] 恋の罪(2011/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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廃墟のアパートで死体で発見された女性の事件を追う内に、事件の関係者である小説家の妻や被害者である大学助教授の女性の性愛に満ちた秘密を知る女刑事の官能ドラマ。
実際に起こった「東電OL殺人事件」を元ネタにしている。
閉塞的な生活を送っていたが、夫の許しを得てバイトを始めるうちに、徐々に淫らな道を歩んでいく妻いずみ役の神楽坂恵がヌードやセックスシーンだけでなく失禁や男性に殴られるシーンまで体当たりで演じていて、役者魂を感じさせた。
いずみを独自の性の思想へ巻き込む女助教授の美津子役の富樫真もおどろおどろしい佇まいで戸惑うをいずみを一括したり嘲笑う演技が見事で、何か久々に女優陣の演技力で映画を最後まで引っ張られた印象。美津子の母親役の大方斐紗子の怪演も印象に残った。
実際の事件を参考にしてはいるが、事件の真相に迫るというよりは、事件の被害者と出会ったことで、自身の性を解放し没落していく第三者の姿を描いており、同監督の前作『冷たい熱帯魚』よりはサスペンスらしさは感じられなかった。
一つ残念だったのは、最後に事件の関係者であるカオルの首吊り死体が発見されるのだが、これが殺人だとしても自殺だとしても不可解なところ。劇中でのカオルの性格ぶりを考慮すると、美津子の死の時にも笑っていた様な彼が怖気づいて自殺するとは考え難いし、美津子の事件に関わっていたいずみや母親の志津が例え共犯で殺したとしても体格差や女性(しかも片方は老人)である点を考慮すると絞殺して吊るすという芸当も無理な気がする。
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