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[コメント] テイク・シェルター(2011/米)

サイコサスペンスかと思ったけど、家族の葛藤ドラマという色の方が強い作品でした。
わっこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







竜巻の悪夢を見て以来、竜巻の避難用のシェルター造りにのめり込む男のサスペンスドラマ。

最初は、黄色い雨が降り、それを浴びたものが豹変するという竜巻の夢を見てから、現実にも起こるのでないかと思い始め、シェルター製作にのめり込む主人公の異様さを描いたサイコサスペンスかと思ったが、どちらかというと、シェルターを造りに固執しながらも、自分が精神的に異常ではないかと思い悩む主人公やそんな主人公の姿に戸惑いながらも受け入れる家族の葛藤を描いたドラマの色が強い。

確かに主人公カーティスは、竜巻の悪夢を見てから、シェルター造りにのめり込むわけだが、その目的には夢のような恐ろしい竜巻がもし現実に起こった場合に家族を守りたいという明確な理由があり、よく考えると、シェルター造りの関して異様な行動も見せてはいるが、その半面で精神障害を患った母親の様に自分も精神に異常があるのかも疑って医者に相談したりするし、家族に対しても特に乱暴な面を見せているわけではなく、ただの妄想に取り付かれたわけではないのだなと感じさせる。

ラストはカーティスの見た夢が現実に起こってしまったと思わせるような感じだったが、その後のカーティスたちの安否に関してはエンドクレジットの歌の歌詞とリンクして、カーティスなら家族の守るためならどんな行動も起こすんだろうなと思わせる終わり方だったのは良い。

ただ、後半でカーティスが竜巻の悪夢を打ち明けてから、彼のシェルター造りを許した妻のサマンサが、“皆のような普通の事がしたい”と言ってカーティスを会社の仲間が集まる集会に行くよう要求する展開はちょっと解せない。

ここで、カーティスのシェルター造りに巻き込んだせいで謹慎処分にされた同僚と鉢合わせになり乱闘になるわけだが、カーティスの事情を知っていて、行けばこうなる事も予め予測できて、皆から異常者に見られてカーティスが辛くなる事も分かっているのに、自分のエゴを通してこんな行動に出るサマンサに、カーティスに対する思いやりが感じられなかったのが残念だった。

(評価:★3)

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