[コメント] ロンドンゾンビ紀行(2012/英)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ゾンビ映画。
ゾンビによって崩壊した街を舞台に、祖父の暮らす老人ホームに助けに行く孫たちと老人ホームの祖父たち老人の篭城持久戦の2つの話が並行する。
展開としては『マーズ・アタック』の祖母を助けに行く孫のエピソードと『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を合わせた感じ。
介護が必要な老人たちにゾンビサバイバルをぶつけるという発想はあまり無いパターンだけに興味深い展開で、最初は映画全体のテンポがもたもたしような印象で、このもたつきにじれったさを感じていたが、老人ホームをゾンビが襲う展開を見てこのためのもたつきなのかと納得。
特に屋外で昼寝をしていてゾンビの襲撃に気づかなかった仲間の老人が襲いかかるゾンビから歩行器を使って逃げるシーンでの現実には死の瀬戸際に追い込まれているのに、映像上は逃げ足の遅い老人と動きの鈍いゾンビの追いかけっこという構図には非常に笑えた。
他にも老人ホームからの脱出の際に車や船に乗るシーンも、従来のゾンビ映画なら早回し的に処理されるだろう部分が、お年寄り故に、逃げ足も遅く、全員乗るまでに非常に時間を費やしてしまうところがハラハラさせながらもどこか笑いを誘わせる。このバランスが非常に絶妙。
低予算なのか、ゾンビの襲撃シーンが極端に少なく、グロシーンもどこかまったりした雰囲気だが、その分、後半の助けに来た孫たちと老人たちの脱出シーンでのアクションは結構良い出来で、なかなか楽しませてくれる。
最後の大団円で前向きな終わり方も、この作品の雰囲気に合っていて好感が持てる。
総評としては、ゾンビ映画はアプローチの仕方がかなりやり尽くしたと思っていたが、まだこういう描き方もあるんだなと感心させられた。
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