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[コメント] 氷壁の女(1982/米)

色々挑戦中だったんだろうけど、コネリーはやっぱりミスキャストっぽいな。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 ハリウッド名監督の一人ジンネマンの最後の監督作。不倫カップルと一人のガイドが雪山で起こした5日間の事件を描く。

 あらすじを書いてしまうと、本当に単なる三角関係だが、物語そのものもそれだけの作品としか言いようがない単純な作品で、せいぜい見所は雪山と、三人の中にある緊張感くらい。挿入された、40年前の花婿発見の話で多少盛り上がるものの、それが物語にほとんど何の絡みも持たないため、単なる挿入に過ぎなかったと言った感じ。

 それと、本作の一番の失敗点はコネリーを主役に据えたことだったんじゃないかな。本作が制作された頃は丁度コネリーがこれまでのボンド役からの脱却を図って色々な役に挑戦していた時期に重なっており、本作もその一環に思えるが、コネリーは存在感そのもので演じるタイプの役者なので、小心者で常にびくびくしているような役柄は見事に似合わないし、何より細やかな表情が作れる人でないため、結局何を考えてるのか分からないまま終わってしまった。挑戦は良いけど、明らかに合わない役を選ぶのはいかがなものか?

 物語はかったるいけど、所々の演出で光るところはあるので、極端に悪口を言うべき作品では無かろう。山好きの人だったら更に面白さは分かるのかもしれない。

 ただ、この評は当時も同じだったらしく、ジンネマンがこの作品を最後に引退してしまったのは、批評家の酷評が大きなショックになったからと言われている。

(評価:★3)

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