[コメント] 竹取物語(1987/日)
超豪華キャストに凝りに凝った衣装やセットやロケなど贅の極みを堪能できるから、批判しようにも良心がとがめる。
かといって全部OKかというとそうではなく、やっぱりアノ超豪華「船」があんまりにもインパクトがありすぎて、それまでの話やら役者の芝居やら情緒やらがいっぺんに吹っ飛ぶという破壊力があるのは見過ごせない。
となると、この映画はダメダメか?と問われれば、決して「金返せ」映画ではなくって、むしろ「イイもん見せてもらいましたわ」と言いたくなるような映画であり、要するに、評価に困るのである。
この映画を試写で見せられた評論家諸氏はさぞ困ったことだろう。想像するに余りある。
ところどころ原作を「改悪」してあり、あの物語の「うわっ、この発想スゲっ!」という部分が感じられなくなっているのはとても残念。
でも、浜村純・加藤武・岸田今日子が居並ぶ映画は最高であり、特に岸田今日子なんて、宮中を一瞬に大奥にしてしまって、あの空間を何でも許せてしまう空間にさせてしまうからさすが。
三船敏郎の扱いなんて、アンチ黒澤って感じで思わず笑ってしまうし、常田富士男に「バカ!」なんて言われる所なんて最高だ。一方、若尾文子はあまり持ち味が活かせてないようで残念だったけれど、今さら「大映の若尾」でもないのだから、いたしかたない。
今、この映画を映画館で上映したら、「船」についてはどんな反応が起きるのだろうか。やっぱり館内大爆笑ってことになってしまうのだろうか。もしそうなら、やむを得ないなあと思いつつ、ちょっぴり残念だ。
・・・ここまでレビューを書いて気がついた。主演は沢口靖子でしたね。・・・えーと、彼女は・・・・・・(F.O.)
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