[コメント] 裸のチェロ(1971/伊)
主人公の無茶苦茶な要求に嫌な顔をしながらも、ちゃんと応えて裸になり続ける妻コスタンツァの健気な姿の方が際立ってしまい、なまじ話が主人公ニッコロ中心の展開なため、バランスが悪い気がする。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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仕事でスランプを抱えた欲求不満のチェリストの男が、妻の裸を見ることに快楽を覚え、行動がエスカレートしていく様を描いたお色気コメディ。
仕事が上手くいかない主人公が、妻の裸に快楽を覚え、色々と行動を起こすのだが、どの行動もコメディの体裁を取っているとはいえ、ちょっと犯罪色が強くて、素直に笑っていいのか複雑にさせられる。特に就寝している妻コスタンツァを裸にして写真に撮るところは、下手な性犯罪映画よりも猥褻な印象。
映画としては、最初は妻の裸を他人に観察されることで欲求を満たした主人公が仕事にも奮起する話かと思ったが、結局、仕事で奮起しても厳しい現実を突きつけられ、妻の裸で欲求を満たして現実逃避する主人公の哀れな姿を描いた展開となってしまう。
ただ、主人公の哀れな末路よりも、主人公の無茶苦茶な要求に嫌な顔をしながらも、ちゃんと応えて裸になり続ける妻コスタンツァの健気な姿の方が際立ってしまい、なまじ話が主人公ニッコロ中心の展開なため、バランスが悪い気がする。
もっとコスタンツァ寄りに描けば、ニッコロの要求ももっと嫌味なく見れたと思うだけに残念なところ。
とはいえ、コスタンツァ役のラウラ・アントネッリは、ほとんどが裸でのシーンだったり、セクハラ的なことをさせられる役どころを体当たりで演じており、妻の献身的な想いはよく伝わった。
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