[コメント] ラブ&ポップ(1997/日)
女子高生たちの小さな世界の破片
この映画を見て、現代の女子高生の心象を捉えようとし、リアリティを感じないと思ったならば、それこそ現代の女子高生像というものを捉えたということになるのかもしれない。女子高生の普遍像などというものはない。彼女らは個人レベルで家族を始めとした様々な共同体の中で小さなナラティブを創出していく存在でしかない。この圧倒的な空虚さは現代の都市の中流家庭の状況よくあらわしていると感じた。多彩なカメラワークについても、そういった脱中心的な方法論が伺える。分裂的で拠点のない配置が現代人の心象を表すとともに、対象への新しい解釈の可能性を示唆している。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。