[コメント] ムービー43(2013/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
オムニバス・コメディ映画。
下世話で下品な下ネタのショートコメディを豪華スター共演で作ってしまうという、ある意味、贅沢の極みまで突き詰めた作品で、最近のコメディ映画にはない華やかさと意外性がある。ただ、前半の勢いと比べると後半はお下劣さが大人しくなってしまい、ちょっとペースダウンした気がする。
*OPENING/脚本家が暴走してから、翻弄されたプロデューサーが映画会社の重役と自分の妻の浮気を知り、重役の男性に警備員とのフェラを強要するまでのノリは面白かったが、その後で無理矢理、映画撮影の途中だったというオチに終息してしまい拍子抜け。映画のコンセプトを考えるとお下劣なネタを貫いて欲しかった。
*ネック・ボール/ブラインドデート相手の男性の喉に睾丸が付いてることを、本人やレストランの店員、男性の知り合いに必死でアピールするも、理解してもらえない女性のやり取りが面白い。これを“ヒュー・ジャックマンとケイト・ウィンスレットが演じているという想定”で、実際に本人たちに演じさせているのもすごい。ショートコントとしては申し分ない出来。
*自宅学習/教育熱心な夫婦を息子を自宅学習させるわけだが、夫婦までが高校生に扮して高校生活のトラウマを息子に植えつける姿の不気味さが面白い。
*プープー・オン・ミー/「ウンコを顔にかけて欲しい」と望む恋人の要求を、結婚を切望する男性が実行しようとする話で、最後に想定どおりにウンコまみれのオチが待っている点で理には適っている。ただ、恋人のジュリー役が汚れ役も積極的にこなす所に定評があるアンナ・ファリスを起用しているのだから、出来れば彼女も最後のシーンはウンコまみれになって欲しかった。
*ムラムラ・スーパーマーケット/レジ係の青年と店にやって来た恋人がお互いを卑猥な言葉で侮辱し始め、それがスピーカーで筒抜けだったために、スーパーの客まで欲情し始め、最後に青年に共感した客が青年に彼女を追いかけるようエールを送るという話だが、欲情はしても過激なことには走ってないためか、それまでのエピソードと比べると大人しい。もっと弾けてもよかった。
*合コン・アベンジャーズ/カップル・パーティで恋人が欲しいロビンを悉く邪魔するバットマンのやり取りが面白い。また相手役のロイス・レーンに『バットマン&ロビン』でポイズン・アイビーに扮していたユマ・サーマンを起用するとか、スーパーガールを登場させたり、後半のペンギンとの格闘でもTVドラマ版『バットマン』で用いた演出を使用するなど、マニアックなツボが結構多かった。
*機械の中は子供でいっぱい/下ネタコメディの中で、純粋にCMパロディのコメディを作っている点では大人しい印象なのだが、出来は悪くない。
*iBabe/ダッチワイフ型音楽プレイヤーの欠陥に関する緊急会議の模様を描いているが、最後に社長が女性器に手を入れる展開は、軽傷で済まさずに社長の指も切断するぐらいの展開じゃないと、リチャード・ギアを起用した意外性が発揮されないと思う。
*初潮騒動/友人の男性宅で初めての生理現象を迎えるが、周りが男性ばかりでまるで役に立たず、迎えに来た父親までも友人の父親と最後にはくだらない事で喧嘩し始める始末で、ついにキレる少女の姿が男所帯の家庭での出来事なら現実的にありそうな説得力があり興味深い。
*Tampax/生理用品のCMパロディだが、こちらのほうが下ネタも絡めたブラックユーモアな結末でインパクトがある。
*アダルトこびとづかん〜妖精捕獲作戦/この映画の中のエピソードでは一番出来が悪い気がする。暴力ネタが笑いに上手く消化出来てないので、後味の悪さが目立つ。
*フィーリング・カップル/下衆でドン!/出会い系サイトで出会った男女が“トゥルース・オア・デア”ゲームでどんどんと整形をも厭わない過激な行動を繰り返す展開で、ハル・ベリーを特殊メイクで酷い顔にまでしてしまう徹底振りは好感が持てる。
*ブラック・バスケットボール/人種差別をテーマにしたスポーツドラマを茶化したギャグ演出は悪くないが、終盤に持ってくるには今ひとつパンチが足りない。
*Ned ネッド/お下劣版『ガーフィールド』という感じで、飼い主の男性を賭けた猫と恋人の小競り合いが面白い。ただ、最後は人間だけが痛い目に遭う結末よりも、因果応報的にビーズルも制裁を受ける結末でもよかったかなという印象。
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