[コメント] 清須会議(2013/日)
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三谷幸喜監督が新しく放った作品は、意外なところで史実をベースとした歴史物。しかも戦国時代を例に取ったものだった。
こんなテーマを取ったことに最初は意外さを感じたが、三谷監督は元々舞台の演出家で、舞台を限定したシチュエーションコメディに本領を発揮する人物でもある。会議を題に取るって、逆にこれってはまってるのかも?
それで一見。
結構意外だったのは、この清須会議を基本的には仮想歴史のようにはせず、基本的に史実を押さえて作っているという事だった。細かい歴史の整合性などを考えずにぶっとんだ物語にするかと思ったのだが、そんなこともなく、そう言った歴史に立った上で、出来るだけコミカルな演出を心がけている感じで仕上げている。
歴史は歴史であり、史実を変えることなく作る。映画の作りとしては、これは全うで正しいと思うし、それを逃げずに直球勝負した監督の姿勢も評価したい。
…んだけど、真面目な歴史絵巻とコメディを組み合わせた場合、往々にして起こることなのだが、演出上のバランスの悪さも出てしまった。笑わせようと頑張ってる演出が痛々しく感じられてしまう。
この両立が出来るのは、映像ではなく、小説という形にならざるを得ないだろう。映像にすると如何せん中途半端になってしまう。そして三谷監督にもそれは如何ともし難いところだったか。
結果として本作でちゃんとコメディとして笑えるところは会議が終わって、後は想像の領域に入ってからだった。会議が終わって、後は一晩生き延びるために秀吉が取った行動と、それを取り巻く人々の狼狽や陰謀など。ここは流石三谷演出の冴えていた。ただ、史実の足かせを外されてようやく普通に笑えるようになったというのでは、やっぱり本作の狙いとは異なるだろう。
派手なパフォーマンスを演じる大泉洋の秀吉と、真面目一徹なのが逆に笑いになってしまう役所広司の勝家の対比が本作の見所なので、その意味では二人とも本当に頑張ってるし、周囲の人間の個性もそれぞれに際だたせる演出もしっかりしてる。細部までしっかりとした物語になってる分、その食い合わせの悪さで凡庸な作品になったのが残念。
あと個人的には、秀吉の奇行と、それに伴う周囲の狼狽、結果としての大成功というシチュエーションをもっと劇的に描いてほしかったというのもあるか。行き当たりばったりではなく、複雑に伏線を張り巡らせ、それが最後に秀吉の成功につながるという演出がほしかった。
(評価:)
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