[コメント] 帰って来たヨッパライ(1968/日)
現代の目で本作を観ると、皮肉がきつすぎて、逆に当時の本質が見えなくなってしまうと言う面もあります。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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大ヒットした「帰ってきたヨッパライ」の歌と本作の内容は全く関わりを持たないのだが、フォーク・クルセダーズの面々の素の表情を上手く使い、国際問題になんの関心も持たない青年がふとしたことから直面した民族問題を、ブラックジョークたっぷりに描いているのが特徴。
多分それが当時の日本では「当たり前」と思っていた事が前提なのだろう。特別韓国人を擁護することもなく、それが皮肉にならないままシュールなギャグが続いていく。はっきり言えば、現在の目で見ると、それが大変痛々しい姿に見えてしまう。多分本作はその時代の空気を吸っていなければ、本当に評価することは出来ない作品なのだろう。
背後に隠されたものを推測しながら観るのは楽しいのは楽しいのだが、役者としては完全に素人丸出しのフォーク・クルセダーズの面々には、やっぱり少々引く。物語の狙いとして、高度成長時代の背後に隠された深刻な民族問題を、それを全く意識しないノンポリが直面する。という事なので、むしろ素人っぽさが狙いだろうし、ライブ性を大切にする大島監督だけに、リハーサルとかもあんまり考えてなかっただろう事は分かるけど。
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