新ドラえもんの劇場版９作目。８２年の『ドラえもん のび太の大魔境』のリメイク。

ストーリー展開はオリジナルを踏襲しているが、今回のリメイク版ではペコ(クンタック王子)がバウワンコ王国の王子だと明かしてからの王国奪還の描写にかなり時間を割いており、ペコがジャイアンだけでなくのび太との友情を深めるシーンを追加。さらにジャイアンにもオリジナル以上にスポットが当てられているなどのアレンジが加えられている。細かい部分では、どこでもドアが粉砕し帰れなくなる経緯がオリジナルのワニに食べられる展開から変更されている。

『のび太の鉄人兵団』時もそうだったが、新ドラえもんの劇場版のリメイク作品はスポットの当たるキャラに独自のアレンジを加えて工夫しているのは好感が持てる。

特にレギュラーながらジャイアンがメインに取り上げられる機会はあまりないので、こういうアプローチをしてくれるのはなかなか貴重だと思う。

最後に先取り約束機で約束を先取りして、未来からドラえもんたちが助太刀にやってくる展開はオリジナル同様に、ちょっとアンフェアな気がするが、オリジナルよりもバトルに緊迫感を持たせているのは悪くなかった。

個人的には、『鉄人兵団』『大魔境』と続いたので、今後のリメイクに、スネ夫にスポットが多く当たっていた『ドラえもん　のび太と竜の騎士』辺りを期待したいところ。