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[コメント] シン・シティ 復讐の女神(2014/米)

本来求められてない部分に無駄に金を遣っただけ。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 フランク・ミラーのグラフィック・ノベルをミラー自らが映画化したということで話題になった『シン・シティ』の続編。勿論本作も共同監督としてミラー自身が監督している。

 一作目はミラー自身が監督したというだけでなく、当代の名優が出演したこと、グラフィック・ノベルに合わせたモノトーンの画面の冴えなどもあって、かなりのインパクトがあった。

 しかし、私自身は、この作品をさほど評価している訳ではない。演出部分には目を引かれるにせよ、物語が単調なので、画面もすぐに見飽きる。過激なシーンが目白押しなのに退屈に感じてしまうのだ。それは本作も同じで今ひとつのめり込むことが出来ない。

 その理由の一つとして、グラフィック・ノベルそのものを映像化することの無理ってのがあるのかもしれない。一応出てくるのは生身の人間だが、色彩や造形などがアニメ調なので、あんまり動きの良くないアニメーション映画を観ている気分になるし、会話の緊張感も表情が潰れてしまって今ひとつ興ざめる。

 もう一つの理由としては、ノワールを志向した物語展開が、これまでの映画や小説の表面をなぞっただけのものに見えてしまうってのもあるかと思う。意外さを表現しようにも、物語の構造で先が見えてしまうし、どうせ最後は暴力で無理やり終わらせるのも分かってしまうから。残念ながらとても単純な物語でしかない。

(評価:★2)

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