[コメント] いそしぎ(1965/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
一応本作の映画史における意義については理解しているつもりではある。
いわゆるアメリカン・ニューシネマが世に出るようになって、「これは新しい」と賞賛されるようになったが、それ以前にもその精神で作られた作品は数多くあった。
基本的にはそれまでの映画の手法を踏襲しているが、重いテーマに正面から挑む。特にマイノリティの立場に立って、社会とどう向き合うか?ということをテーマに考える訳である。決まり事だらけの世の中にあって、どう自由に生きるか?と言う事を正面から描いたものが多い。むしろニューシネマよりも映画としてはまっとうな作品とも言える。
ただし、テーマがそれだけストレートなだけに合う作品と合わない作品というのが自ずから出てくることになる。私に関して言うならば、自由奔放に恋愛を追求した結果、家庭が壊れるというパターンの映画が最も苦手で、その意味では本作はまさしく私に一番合わない作品だった。
自由ってのは、社会の規範から全て解放され、気に入った人間だけとつきあっていくという事なのか?なんて事を考えてしまうと、どんどん素直に見られなくなっていくし、一人の自由な人間を作るために傷つく人間の多さを考えると、割にも合わないし。
更にラストシーン、エドワードは全てのしがらみから解放されるってことなんだが、この瞬間に正気に戻ったら、このまま崖からダイブするんじゃね?という思いにも駆られてしまって、なんだか妙に落ち着かない思いにさせられる。
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