[コメント] 新・猿の惑星(1971/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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『続・猿の惑星』の、もはやどうでも良いどっちらけのラスト。これで地球自体が全部吹っ飛んだはずなのに、何故か作られた続編。設定はかなり無茶苦茶というか、相当に苦しいが、それでも地球の過去に何が起こったのか。と言う観点で見る物語展開は結構新鮮で、SF作品としての物語自体は決して悪いものではない。むしろ未来に一体何が起こるのかが分かった上で本作を観ているため、一体物語のつなぎはどうなるのか?という興味で観ることは出来る。当時SFは最も発展した小説形式で、それが上手くフィードバックされているのはかなり好感持てる。
1作目、2作目に登場した猿の科学者夫妻コーネリアスとジーラの二人が今度は主人公になっているのも面白く、まるで1作目を逆転させた、パロディのような物語形式になってるのも面白い。特にハンター演じるジーラは個性が際だっていて、このキャラを観てるだけでも、少なくとも飽きは来ない。
ただ残念なことに本作一作で物語は完結しないため、もの凄く後味が悪い物語となってしまい、これが未来に対する並行世界なのか、それとも本当の過去なのか、その辺が曖昧なまま終わってしまった(結局これが明らかになるのは続編になって)。
それと、作品が進むに従ってどんどん造形がちゃちくなっていて、ほとんど本作の場合白塗りの壁の部屋ばかりでほとんど物語は完結。よほどの低予算で作られたんだろうなあ。と思わせてしまうのもねえ。
面白いところも多々ある作品なのだが、バランスが悪いのが難点。
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