[コメント] 大空港(1970/米)
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大スターを一堂に集め、そつなく作られた好作。金をふんだんに使い、見せ場も多く、まさにハリウッドの王道を行く作品と言って良いだろう。
物語はいくつかの場所で何人ものキャラクターが中心となっているのが特徴だが(無線乗車を平気で行うお婆ちゃんや、ちょっと過激な正確をしてるシスター、爆弾を持った男、それに地上での除雪を豪快に行う男とか)、面白いのは、その中でも一番の中心ととして最も良く登場するのが機長のディーン=マーティンではなく、整備主任役のバート=ランカスターである点だろう。地上に這いつくばって空の状況を交信でしか得ることが出来ない状態。自分ではどうしようもないもどかしさや、一方では迫り来る雪の驚異、上司のわがまま、ガールフレンド(?)との別れ話と戦わねばならないと言う複雑な役を見事こなしていた。縁の下の力持ちというのはまさに彼のような役目に当たる。それを前面に出すことで、ひと味違ったパニック映画を作り上げてくれていた。決して華々しくはなく、目立たないかも知れないが、地上で雪と戦い続けるジョージ=ケネディの猛々しさも格好良い。
勿論空中での見所もサスペンス感あふれる出来で、機長のマーティンもそうだが、スチュワーデスのジャクリーン=ビセットの行動は緊張感溢れていて良い。特に爆弾を持った男を前に一歩も引かない姿は、これ又格好良し。
サスペンスとストレス感、それを上回るパワフルさ、そして笑いと、本当にバランス良く詰め込んだ作品。この映画の成功により、飛行機ものが乱発されることになるのには目を瞑ろう。
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