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[コメント] ジャスティス・リーグ(2017/米)

作品として決して悪いわけじゃないし、多分とても理想的なヒーロー映画の形なのだが、プラスアルファがなかったお陰で、現代のヒーローものの中では凡作になってしまった。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 前作『バットマン vs スーパーマン』が殊更酷い作品と言うつもりはないのだが、この作品ならではの特徴に欠け、更に二大ヒーローの対決というのが単純に暗闇で殴り合ってるだけなので盛り上がりに欠ける。更に続編はスナイダーが作ると言うことで、どうせたいしたことないことが分かってしまったのだよ。

 ただ、その後に出た『スーサイド・スクワッド』と『ワンダーウーマン』が殊の外面白く、一応抑えておくか?という感覚で視聴となった。

 それで出来を言えば、充分な作品だとは思う。

 それぞれのキャラをちゃんと描き、強さを演出しつつ、弱点を他のキャラがカバーすることで戦いが出来るし、一人一人が持つ心の闇のような部分もしっかり描く。そのトラウマをそれぞれが乗り越えていくところまでもちゃんと描いていた。

 複数ヒーローが登場する物語で言う限り、理想に近い展開を見せてくれているのだ。

 …だが、その理想的な展開こそが本作の最大の弱点なのかもしれない。こうなって欲しいという展開が次にやってくる場合、完璧に次の展開が読めてしまうのだ。

 物語展開としてだけなら良かったのだが、戦いまでも予測可能になってしまった。戦ってる最中に「あー次にこいつがくるな。それでこいつが助けて…」というレベルで分かってしまうため、安心しきってしまって驚きがない。右から左にすーっと物語が過ぎていったという印象である。

 私個人で言わせていただければ、スーパーマンの復活が事前に分かってしまっていたのも残念だった。ネットとかからの情報遮断が出来ないため、どうしてもそれは避けられなかったのだが、「あ、そう。復活するの」だったし、桁違いの攻撃力を持つスーパーマンが登場した途端、戦いの趨勢は全部スーパーマンが持って行ってしまうため、他のヒーローが割食ってしまってこれも大して楽しめない。

 更なる続編を目しているならば、今回はスーパーマンの復活と正気に戻るまでに留めておき、次回予告で「今度こそ全員で戦います」の方が良かったんじゃないかな? 

(評価:★3)

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