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[コメント] 夜の大捜査線(1967/米)

つまらない。テーマ(人種差別)と時代性(公民権運動)に固執しすぎていて、観客を楽しませるためのプロットにまるで魅力がない。
田邉 晴彦

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







黒人差別が横行したアメリカ南部を舞台に人種間の対立を描いているのは判るが、黒人刑事と白人署長の対立に重きを置きすぎていて、肝心の事件の方は、サスペンスとして全く盛り上がらない。

容疑者含めキャラクターの登場がすべて場当たり的で、真犯人の動機も弱い。もちろん、ありふれたアメリカ南部の片田舎でそんな壮大な悪事が起ころうはずもないが、そんな当たり前の事実を反芻するためにわざわざ映画を観ているわけではない。

公民権運動の盛り上がりを背景に注目を集めた映画ということだが、そういった時代や風潮から遠い2011年日本の観客としては、殊更ドラマへのシンパシーやサスペンスとしての高揚感は感じない。

(補記1)シドニー・ポワチエが一番最初に登場するシーン。彼が刑事であること、誤認逮捕であることが後々判るのだが、逮捕される現場で流れる音楽が非常に軽妙なトーンの音楽であるため、緊張感がまったくない。クインシー・ジョーンズは全編にわたって素晴らしい仕事をしているのかもしれないが、この一点においてあまり効果的な映画音楽ではないと感じてしまう。

(評価:★2)

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