[コメント] グッバイ・クリストファー・ロビン(2017/英)
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「くまのプーさん」および「プー横町に建った家」、総称「100エーカーの森の物語」の著者AAミルンとその息子クリストファー・ロビンの親子の物語。
この親子の物語はとてもドラマチックなので、これまで映画化されなかったのが不思議なくらいだが、突然一年弱の間に本作と『プーと大人になった僕』(2018)という二つの作品が投入された。
この二つの作品、どちらも成長したクリストファー・ロビンについて描くものだが、『プーと大人になった僕』が実際にプーと交流するファンタジーに対し、リアリティを重要視して実際の出来事に限って描いたのが本作となる。どっちかと言えば、本作の方が本来の作り方だろう。
ミルンとクリストファー・ロビンの関係はここに余すことなく描かれているのだが、本来息子のクリストファーのためだけに語った100エーカーの森の物語を本にしてしまったために息子の人生を狂わせてしまったという皮肉。世界中に愛読される児童書が生み出された代わりに、親子関係はぼろぼろになってしまった。
クリストファーにとって、100エーカーの森の物語は幼い頃の思い出であると共に、人生における重りであり、呪いとなってしまう。
ただ子どもを喜ばせたいという純粋な気持ちから始まった物語が呪いとなる。なんともやるせない物語であるが、だからこそ映画にする価値のある物語だったとも言える。
家族の物語としてかなり高い水準を持っているのだが、一点問題がある。
本作を通してミルン自身よりも妻のダフネがあまりにも身勝手すぎるのだ。ここまでひどく描く必要あったんだろうか?何故彼女がこのような行動を取らずにはいられなかったか、その説得力は欲しかったな。
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