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[コメント] インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実(2011/米)

世界経済の状況を考えるのに必須なサブプライムローン危機を扱っている。ただし、経済学の知識がある程度無いと理解が難しい。サブプライムローン危機については、マイケル・ルイスの”世紀の空売り ”という書籍のほうが理解しやすい。
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このサブプライムローン危機以降アメリカの平均的な若年層には酷い職しか無い。そのために実家を出る事ができない人間が大勢いる。アメリカの親は成人時に子供を家から蹴りだすいう話があるが、それは自立のためだ。給料が安くて、不安定な状態で自立のために家を出てもその人間が潰れる可能性がある。貧乏なので自立に必要な自動車も買えない。したがって、今は日本のように苦しい子供が実家に住む事は許容されている。日本でも派遣社員等は許される場合は実家にできるだけいたほうが良い。勿論自立をしたほうが人間の成長にとって良い。しかし、状況を考えるとそんな事はとても言えない。

この映画では人に責任を押し付けたり、助言(格付け)を無責任に言ったりする人間が登場する。今のアメリカの若年層はギリギリまで働いたり、もしくは生活出来ないようなお金で働いたりしたうえで雇用主に給料以上の儲けを出せと脅迫されている。しかし、実際は雇用主が無制限の責任を労働者に押し付けているだけだ。しかし、この映画における当事者は誰も責任を取らない。(その結果生まれた若年層の怒りは大統領選挙の内容に反映されている。)

これは対岸の火事等では無い。渋谷区の一等地にはアメリカの投資銀行がチームで泊まっている豪華な宿舎がある。投資銀行は儲かってない日本企業を買収後にリストラする。その日本企業を最高益を出した企業として売り飛ばしていた。儲かってない企業のリストラは止むを得ないかもしれない。ただ最高益を上げる必要は無い。

本当は小売りや飲食の24時間営業は要らない。当日にネットショッピングの荷物が届く必要も無い。(そんな仕事では人間は余り成長しないし、体が壊れる。)時給は1500円で問題無いし、日本は人手不足なのだからそれで潰れる企業は潰れて良い。そういった企業の代弁をする助言者達の職も無くなって良い。私は優秀だった人が日本の酷使システムで体や心が壊れて働けなくなって潰れたのを相当数観てきた。その責任を企業はとっていない。

(評価:★3)

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