[コメント] COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック(2015/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
前半は親子関係で苦しむカート・コバーンが描かれる。カートの親が息子をどう思っていたかが示されるのだけれど、全くのすれ違いが見て取れて、その怒りの表現が共感を呼んだ事が判った。
薬物中毒に関して言えばコートニー・ラブに責任があるという説が当時強かった。しかし、コートニーに出会う前にマリファナからヘロインに入っていったことが描かれた。
このドキュメンタリーにはデイブ・グロールにも出演して欲しかった。後はマイケル・アゼラッドの病んだ魂を読めばおおまかなカート・コバーンの一生は判るので興味ある人はどうぞ。
私はカートが初めて好きになったロックスターだったので彼の発言を必死に読んだ。カート・コバーンは自分の政治に関する発言は信用するなと言ってたと記憶している。(正確な発言を思い出せてないが)カートの発言をどれだけ意識してたのかは判らないけど、所謂政治色の強いフガジ等にはハマらなかった。(勿論当時はアメリカの政治について判らなかったという理由もある。)同時期のインディーロックをカート・コバーンのレコメンドから掘っていった。エアロスミスやAC/DC、ビートルズを聞くようになったのもカートの発言からだ。あと重要な事としてカートはブリッジ・コーラス・バースなどといった曲構成やドラムの重要性についてインタビューで意図的に語っていた。彼のインタビューが載っていたロッキング・オンは音楽を理論的に説明する事に興味が無い雑誌だったがカートはそんな雑誌でも音楽を説明していた。カートは私の音楽に関する道しるべだった。
昔は日本ではニルヴァーナやカート・コバーンを好きな人間は本当に少なかった。だから中野サンプラザで来日公演をしていた。彼が死んだ後にファンが増えた。ただ、ちょっと気になるのはニルヴァーナが最高のバンドでそれ以上の音楽は無いってタイプの人がいる。ジョン・レノンでもマーヴィン・ゲイでもボブ・マーリーでもマイルス・デイヴィスでもなんでも良いんだが、最高を自分で決めてしまって以降の興味の範囲を狭めてしまう人は勿体ない。ニルヴァーナはグランジでは最高のバンドだけど、他のところには別の山がある。
私はカートが生きている頃に比べると音楽の趣味も大分変った。ロックばかり聞くような人間では無くなった。ただ、カート・コバーンは私が音楽に接する時の考え方を初めて与えてくれた人間だ。勿論すべてに納得している訳では無いが、彼には感謝している。
注:メルヴィンズのバズ・オズボーンが”間違ったフィクション”と評しているため当初より評価を下げた。
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